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パイロット レグノ シャープペン

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

前回書いたレグノ メイプル 多色ボールペンと一緒に、レグノ シャープペンも買いました。

多色ボールペンの記事はこちら。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

シャープペンというと学生のイメージで、仕事ではあまり使わない人が多いと思いますが、自分の場合、フローチャートや図の下書きをするときにシャープペンを使います。

あと資格試験の勉強など。

 

 

パイロット レグノ シャープペン

今回買ったのは、パイロット レグノ シャープペン。

www.pilot.co.jp

これも木軸ペンで、樹脂含浸カバ材を使用しています。

カラーは三色あり、自分のはディープレッドという色で、ちょうどパープルハートのように見えます。

パープルハートは家具やフローリングに使われる紫色の心材を持つ樹木です。

wp1.fuchu.jp

メイプルと同様にさらさらとした手触りです。

 

0.5

芯は0.5。普通のやつですね。

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中央のLEGNOの文字は彫ってあるので、消えることがないです。

裏側には0.5 JAPANの刻印が彫ってあります。

 

クリップ

レグノ メイプルとは異なり、メッキになっています。

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キャップ

構造は至って普通です。キャップが長いですね。

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消しゴムは別売りで購入する事ができます。型版はHERFS-10。

www.pilot.co.jp

 

重量バランス

中央より若干先の方です。ちょうどよいところと思います。

ちなみに試したことはないけど、同じパイロットのS20はもう少し前の方に重心があるらしいです。

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パッケージ

こんな感じです。レグノ メイプルと比較すると1ランク下の感触ですね。

箱にはZ-CR-Dとあります。

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あとがき

ディープレッド、色がよいですね。他にダークブラウンとブラウンがありますが、一番好みなのがこれです。

機能としては単にシャープペンなので、質感と重量バランスが大事。

どちらも好みのものなので、大事に愛用したいです。

 

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byakusyn

 

パイロット レグノ メイプル 多色ボールペン

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

今回は音楽以外の話。

実は文具が好き。

いろいろなペンやノートを仕事で使っています。

一応エンジニアなんですが、手を動かしながら考えたい人なのです。

 

で、先日妻からプレゼントして貰う形で文具を一新したので、一つずつ簡単なレビューを書いてみます。

 

 

パイロット レグノ メイプル 多色ボールペン

今回新たに買ったのは、パイロット レグノ メイプル 多色ボールペン。

www.pilot.co.jp

いわゆる木軸ペン。色は黒赤青の3色。

軸に樹脂含浸メイプル材が使用されています。メイプル好きにはたまらん。

さらさらとした肌触りと少し重めのボディが、書いていて気持ち良いです。

 

回転式

色の切り替えは回転式。Bが黒、Rが赤、Lが青となっています。

回した音はしゃこっと言う感じで、ゼブラのシャーボほど静かではないですが、かちゃかちゃ安っぽい感じはないです。

双方向どちらにも回せます。

中央のLEGNOとB/R/Lの文字は刻印ではなく印刷ですね。そのうち消えてしまうかも。

LEGNOの文字の裏側には、JAPANと印刷されています。

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クリップ

少しつや消し加工が入ったシルバーです。メッキのようにピカピカせず、鈍く光る感じ。

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インク

パイロットのアクロインキ0.7が入っています。

コクヨのリングノートに試し書き。字が汚いのはご愛嬌。

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軸を真っ直ぐに引っぱると抜けます。

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インクは4C規格。純正の型番はBRFS-10F-(B・R・L・G)となります。(黒・赤・青・緑)

Jetstreamとか、他社の4C規格のインクも使えるはず。

でもゼブラの4C規格のリフィルだけは他のメーカーより太いらしいので、他社の軸に差すのはやめた方がよいらしいです。やったことないけど。

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重量バランス

回転式の宿命ですが、若干後ろ側です。

ここは好みが分かれるところ。おれは長時間ずっと執筆し続けることはないので大丈夫だけど、物書きの人には向かなそう。

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パッケージ

こんな感じの箱に入ってきました。箱にはZ-CR-Hとあります。

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あとがき

木軸ペンは革製品と似ていて、ペンを育てる概念があります。

半年後、1年後はどんな色や質感になっているのか。

大事に愛用したいです。

 

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byakusyn

 

メインギター(Paul Reed Smith Custom 22 Artist Package 20th Anniv.)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

今回は愛用のギターの紹介。

おれの曲のギターパートは、リズムであれクリーンであれリードであれ、全部このギター。それだけ愛着と信頼のあるメインギターです。

 

 

Paul Reed Smith Custom 22 Artist Package 20th記念モデル

Body :メイプルバール1P / マホガニー

Neck:マホガニー セットネック

FB:ローズウッド

PU:PRS Dragon II

ゴールドHW、中抜き無しのアバロンインレイ仕様

PRS Guitarsの20周年記念モデルで、10Topより上位のArtist Packageです。

東京に単身赴任してすぐの2016年4月に、渋谷のクロサワ楽器でusedを購入しました。

大きな楽器屋さんのusedのPRSを片っ端から弾いて、一番良かったのがこのギターでした。

 

ボディ

メイプルバール1Pがトップで、マホガニーがバックです。
バールとは、木の根元などに出来る瘤のような部分です。発生する要因については、まだ解明されていないところが多いようですね。

以下のサイトが詳しいです。

www.digimart.net

 

メイプルというとキルテッドやフィギュアド、バーズアイなど希少で様々な木目が出ることで有名ですが、メイプルバールはあまり聞かないです。

というのもバールは派手な木目が出るものが多く、有名な派手木目のバックアイの影に隠れている感じですね。

このギターはそんなメイプルバールを1Pで使っています。

不均一な木目だけど、ボディ全体にバランス良く出ていると思ってます。

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エレキギターの多くはトップの中央で貼り合わせをする2Pであることが多いです。

というのも、1P分の大きさで良い部分が取れる材となると、なかなか貴重で数少ないもの。

そのため良いところを狙って2P確保し、それを貼り合わせて一つのボディを構成する方法をとることが多いです。

1Pであるということは、それだけ楽器の材料としても木目の美しさにしても、十分に基準を超えた部分を使用している、ということになります。

 

バックはマホガニー。派手な木目は出ない材であるものの、すっきりとしたきれいな材が使われています。

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次にPU。

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PUはBASSもTREBLEもPRS Dragon II。もともと搭載していたものです。

(PRSは、フロントPUをBASS、リアPUをTREBLEと表記します。)

Custom 24に搭載されているHFSがモダンでハイパワーなのに対し、Dragonはもっとヴィンテージ風で出力控えめなモデル。

ここがCustom 24とCustom 22の大きなサウンドの差を出していると思います。

個人的には、モダンすぎる音よりも少しオールドスクールらしい、Dragonのほうが好きですね。

 

ネック・指板

ネックはバックと同様にマホガニー、セットネックです。

ヘッドのトップにシリアル番号入り。

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指板はローズウッド。バードインレイは中抜き無しのアバロンインレイ。

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ヘッド表側。突板は指板と同じくローズウッドで、Paul Reed Smithのロゴもアバロン

見えづらいけどトラスロッドカバーに「20th」の刻印が入っています。

ペグはPRSの刻印が入ったロックタイプ。あまり巻かずに弦を張れるので、弦交換しやすいです。

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コントロール

上からボリューム、トーン、PUセレクタです。

PUセレクタはロータリースイッチになっていて、5つのポジションから選択できます。

回しきった状態を10として表現します。

 10:リアPUのみ

 9:フロントPUとリアPUの外側コイルのパラレル接続

 8:フロントPUとリアPUの内側コイルのシリーズ接続

 7:フロントPUとリアPUの内側コイルのパラレル接続

 6:フロントPUのみ

 

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自分がよく使うのは、言わずもがなの10と、9と7です。

9はテレキャスターハーフトーンのような音、と表現されます。

8は10と6の中間、7は8と9の中間のような印象です。

ロータリースイッチは現行モデルには採用されていません。まあぱっと見分かりづらいんですよね。ライブで切り替える人は使いづらいかも。

でもトグルスイッチとは異なり手で触れても簡単に切り替わらないのは利点です。

 

ハードケース

めっちゃくちゃ重いです。買った日にお店からアパートまで持ってくる時のしんどさが、思い出に残っているくらいです。

その分ケースとしては頑丈そう。

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外側にPRSのロゴなどはないですね。

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内側。使わないためにいつも外しているアームと。

 

エリクサー Optiweb 10-56 7弦用セットの2-7弦を、1-6弦として張っています。

そのため、ナットはゲージに合わせて溝を広げています。

チューニングはB-E-A-D-F#-B。つまり全弦2音半下げ。

6弦5弦の四度音程のパワーコードを使うことがあるため、ドロップチューニングはしていません。

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そして毎回余る10ゲージの1弦。

溜まってきたからメルカリにでも出すか。

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サウンド

PUのところで書いたとおり、Custom24ほどモダンでなく、Gibsonほどオールドスクールでもない、自分にとってとてもちょうど良い音です。

結構ローが強めに出る反面、PUのポジションを9にするとクリーントーンもきれいに響かせることができますね。

リズムからクリーン、リードまでの一通りを、高いレベルでこなせる相棒です。

個性を持ちつつ高いレベルでオールマイティなところが、PRS全体の強み。

それを体現しているギターです。

 

ウィークポイント

このギターの特性ですが、2弦が他の弦に比べて若干響きすぎる感じがします。

アルペジオを引く時などは、少しピッキングでコントロールしてあげる必要があります。

 

あと、PRS全体的に言えるウィークポイント。それはボディ塗装の白濁です。

PRSのusedによく見られるくすんだ感じ。あれです。

おれのも少し濁ってきましたね。特にボディ下部とネックの接続部分は、はっきりわかる程の白濁が出てきています。

これはトップコートの下の塗装面に発生するもので、厚いポリ塗装が木材の動きについていけず、力が加わったところに白濁ができる、らしいです。

熱を加えるとある程度取れるとか、色々あるようですけど、根本的に修復するにはリフィニッシュしかないようです。

まあおれのはそこまでひどい白濁ではないので、しばらく大丈夫。

最近のPRSは塗装が変わって発生しない?しにくくなった?らしいですが、どうなんでしょうかね。

 

あとがき

白濁の発生はありつつも、全体的に非常に気に入っているギターで、これを手に入れてから他のギターがほしいと思った事がありません笑。

PRSのオールマイティさを備えつつ、Custom24ほどモダンでないところが、自分の好みにはまったんだと思います。

 

ちなみにとある楽器屋さんの話だと、PRSユーザのうち8割はCustom24で、残り1割弱がCustom22、残りのごく少数がMcCarty他、なんだそうです。

(感覚的な割合でしょうけど)

理由は、22フレットならレスポールの選択肢が出てくるからだそうで。逆に、レスポールに近いサウンドで24フレットのギターということでCustom24を選択している人も多いみたいですね。

 

自分としては、Custom24よりも無骨とも言えるCustom22が合っていました。

末永く弾き続けます。

 

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byakusyn

 

複数トラックを一つの画面で一度に可視化するアナライザ(MeldaProduction MMultiAnalyzer)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

ミックスを行う上で、被っている帯域を特定したり出すぎている帯域を把握するために欠かせないアナライザ。

有名どころだと、Waves PAZ AnalyzerやiZotopeのINSIGHT、フリーでもVoxengo SPANなどがあり、そもそもDAWに付属していることも多いです。

しかし、どれもアナライザを挿したトラックの波形を表示するもの。

EQポイントを探すために、比較したいトラックにアナライザを挿して2つの画面で波形を比較していると、複数のトラックを1つの画面のアナライザで重ねて表示したい、と思うのは自然な欲求だと思います。

 

で、そういうことができるマルチアナライザについてです。

 

 

マルチアナライザとは

通常のアナライザは挿したトラックの波形のみを表示します。

マルチアナライザはその名の通り、複数のトラックの波形を一度に表示することが可能です。

これにより、比較したいトラックが1つの画面に表示されるので、ミックスの大きな手助けになります。

 

MeldaProduction MMultiAnalyzer

あまり日本では有名でない?けど玄人好みで有用なプラグインを多数リリースしているMeldaProduction。チェコのベンダです。

マルチアナライザとして、MMultiAnalyzerをリリースしています。

 

アナライザの表示

MMultiAnalyzerはこんなイメージで波形を表示します。

複数のトラックの波形を一度に表示しています。 f:id:byakusyn:20210508222904p:plain

 

各トラックには、トラックの名前と色を指定できます。

名前はMMultiAnalyzer上の名前であり、実際のトラック名とは別に付けられます。

色は自分の場合、ドラムは緑系、ギターは青系、ベースは赤系と決めていて、アナライザ上でもそのように色付けしています。

それぞれのトラックは、アナライザ上での表示・非表示をクリックひとつで切り替えることができます。

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これで、例えばバスドラとベースだけを表示、もしくはギターとシンバル、もしくはスネアを表示してピークをずらす帯域を見極める、といった使い方ができます。

 

アナライザの使い方

アナライザ上で表示したいトラック全てに、MMultiAnalyzerのプラグインを挿すだけです。

表示するだけであれば、サイドチェインなどの他の設定作業も何も必要ありません。この手軽さが良いですね。

CPU負荷も軽いため、気にせずどんどん挿せます。

 

各種モード

MMultiAnalyzerには多数の表示モードがあります。

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SPECTRUM

上記で紹介したモードで、一般的なスペクトラムアナライザです。

基本的なことは上述の通り。

このモード、AREA表示という機能があって、例えばトラムのパーツであればこの太鼓がこの辺、というテンプレートを表示できます。

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これの特に良いところは、自分のテンプレートをプリセットとして作成できること。

よく○○Hzはバスドラの鳴りで、○○Hzはスネアのアタックで~といった解説があります。

ある程度のガイドとして使う分には問題ないですが、同じ楽器でもジャンルによって周波数帯は異なります。

そんな中で、例えば自分のジャンルに近いリファレンス音源を再生してプリセットを作成し、それに合わせて自分の曲をミックスすることで、よりリファレンス音源のミックスに近づけることができます。

 

SONOGRAM

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音を色で表示するモード。

縦軸が時間、横軸が周波数で、色の濃さがその時間・周波数帯での音量レベルを示します。

自分はあまり使いませんが、倍音チェックに使えると思います。

 

COLLISIONS

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ぶつかっている帯域を表示するモード。横軸が周波数です。

一番下の赤い帯が音の衝突を示すインジケータで、検知すると赤くなります。

画像は2mixを表示しているためインジケータが真っ赤になり意味のないものになっていますが、バスドラとベースとか、ギターとスネアとか、被りやすいパートだけをソロにして使います。

ちなみに、衝突自体が悪いことではないです。

音を重ねれば重ねるほど自然に発生するので、何かしらミックスに問題を感じた場合、不要な衝突の発生を確認するような用途で使うと良いと思います。

 

LOUDNESS & WAVE

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各トラックのラウドネスを波形で表示するモード。縦軸がラウドネス(LU)、横軸が時間です。

これは2mix向けで、ラウドネスの意味合いで飛び抜けて大きな音を探すことができるので、コンプで叩くべきトラックとタイミングがわかります。

 

STEREO

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各トラックがL-Rのどこで鳴っているかを表示するモード。縦軸が%で横軸がL-Rです。

全体のバランスと、モノラルであるべきものがちゃんとモノラルで鳴っているかをチェックできます。

 

OSCILLOSCOPE

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トラックの位相を表示します。

逆相チェックに使いますが、同じMeldaProductionのMAutoAlignで自動的に処理しているので、ほとんど使用していないですね。。

 

MMultiAnalyzerのコントロール

各モードの共通のコントロールです。

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  1. 指定した時間の平均値を表示する
  2. 波形の滑らかさ
  3. 縦軸の解像度
  4. ゲイン
  5. よくわからん
  6. ディケイ
  7. 高周波の除去 

好みによってディケイを調整する程度で、ほぼデフォルトで問題ないと思います。

ちなみにマニュアルのリンク。トップから辿れなかったので参考まで。

https://www.meldaproduction.com/download/documentation/MMultiAnalyzer.pdf

 

セール

MeldaProductionの公式サイトで、いくつかのプラグインを50%ディスカウントするセールを10日替わりで行っていますので、まめにチェックすると良いです。

定価で$69。定価の時点で、機能性から考えると非常に安いです。

www.meldaproduction.com

 

あとがき

耳だけで判断できるのが一番良い、といった言葉を聞きますけど、便利なツールがあるなら使えば良いと思うので活用しています。

ミックスの心強いガイドになること間違いないです。

見方に慣れるのに少し時間がかかりますが、分かれば難しいことはないと思います。

 

難点は、MeldaProductionのプラグイン全体に言えることですが、コントロールや設定が多く細かいためとっつきづらいこと。

このベンダは最近流行りのチートプラグインとは真逆の考え方を持っていて、そのプラグイン例えばコンプであればコンプでできることに対して詳細なパラメータを用意しています。

その分使いこなすのが難しく、目的意識とパラメータの作用を把握した上でないと扱いづらい、いわば玄人向けですね。

今回紹介したのはアナライザなのでエフェクトではないですが、愛用しているマルチバンドコンプ、MDynamicsMB辺りはかなり詳細な設定が可能です。

 

とはいえ基本は一緒なので、ある程度分かっていれば慣れの範疇と思うので、それこそ最初はMMultiAnalyzerから触ってみるのが良いと思います。

 

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byakusyn

 

新曲"uminari"「海鳴り」をアップ

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2021/04/11に、新曲"uminari"「海鳴り」をアップしました。

 

 

今回の曲のテーマは以下でした。

・ブリッジミュートによる刻み

・5/8拍子

 

まず前者については、低音弦ローポジションのブリッジミュートと、中高音弦のミドルポジション単弦のブリッジミュートの対比。

特に単弦のブリッジミュートをユニゾンで左右に振るのが好きですね。

今までも使っていた手法だけど、どちらかというとHR/HMのテクニックで最近のバンドはあまりやらないので、むしろ積極的に使っています。

 

後者の5/8拍子は使い方が少し難しい拍子で、曲の流れを止めたり勢いを弱らせたりしがちな拍子。

5/8拍子は前後の関係性とフレーズによって、6/8拍子から1つ少なくなったのか、4/8拍子から1つ多くなったのか、どちらに聴こえるかを使い分けています。

メインリフでは少なく聴こえるように、続きのリフでは多く聴こえるようにアレンジしました。

 

ミックスについては、ギターは今までのやり方を踏襲しつつ、ドラムとベースを見直ししました。

まずドラムについて。リファレンス音源を改めて分析し直した結果、バスドラとスネアをもっと前に出すミックスを試しました。

リファレンス音源にdeftonesがあるんだけど、バスドラとスネアがでかいです。deftonesに限らず最近のモダンメタルバンドはその傾向にあると思います。

これによってノリがわかりやすく、ラウドなのにタイトにできたかと。

あと自分のようにインストの場合、ボーカルがいないため高音域が不足します。

そこをシンバルで補っているんですが、バスドラとスネアを前に出したことにより相対的にシンバルも前に出しました。

またコンプの重ねがけで強めに潰し、音の角を取ることで、馴染みやすい音像にしています。

さらにそこにサチュレーションをかけて、シンバルの金属音に歪み感を足しています。

 

ベースについては音作りを少し変えて、よりSpectorらしいタイト目の音にしました。

結果低音がタブつかず、レベルを上げて存在感を増す事ができました。

 

今回は目新しいことはせず自分の得意なところプッシュしました。

また一歩前進できたかなと思います。

 

打ち込みのドラムサウンドを分厚くする方法

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

仕事が忙しく、久々の更新になってしまいました。

 

今回は打ち込みのドラムサウンドについて。特に激しめうるさめの音楽を作っている人向けです。

 

生っぽいと評判のドラム音源で曲を打ち込むといまいち音が貧弱に聞こえる、抜けてこない、好きなバンドのような音が出せない、という経験をした人も多いと思います。

そもそもの音作りが良くなかったり、ミックスが良くなくピークが被っていたりと色々理由はあります。

が、好きなアーティストのCDなどで聞いているドラムの音が、そもそも生ドラム(のみ)でないことがあります。

  

 

ドラムトリガー

多くのモダンなメタル系バンドが使っているドラムトリガー。

生ドラムに小型マイクのような装置を取り付け、打音に合わせて、接続した音源モジュールのサンプル音を発音する機材です。

マイクの見た目はこういう感じ。ROLAND RT-30HR。(画像は公式サイトより)

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www.roland.com

 

音源モジュールに予め作り込んだバスドラやスネアの音を設定しておくと、生ドラムの演奏と同時にその音を鳴らせるわけですね。

音は何も生音ライクなサウンドでなくても良いわけで、例えばエレドラやハードコアなシンセドラムにして、ゴリゴリなデジタルサウンドにすることもできます。

使い方次第です。

 

生ドラムでのトリガーには、生音に重ねることができる以外にもメリットがあります。

レコーディング後でもサンプルのサウンドメイクができたり、サンプルの割合を多くするor全差し替えする事でレコーディング時のマイク被りをなくすことができるなどのメリットがあります。

生ドラムのレコーディングでは、多数のマイクを使います。バスドラ、スネアは打面とスナッピー、タムと、上からシンバル狙って左右に・・・。

当然、スネアを叩くとスネアのマイクだけでなく、シンバルのマイクやタムのマイクでも拾うので、結構被ります。

被りが大きいと、例えばそのトラックをEQで調整するときに被った音にもEQがかかるため、全体の音像のコントロールが難しくなります。

昨今はだぶつきの少ないタイトなサウンドが流行りなので、被りはなるべく抑えたいところ。

 

DTMでのトラムトリガー

DTMプラグインでも、ドラムトリガーを実現できるソフトが販売されています。

一番有名なのは、SLATE DIGITALのTRIGGER2。

stevenslatedrums.com

 

次点?でAddictive DrumsのAddictive Trigger。

www.xlnaudio.com

 

簡単に言うと、ドラムのオーディオを読み込み、検出したトランジェントに合わせて、設定したサンプルを鳴らすものです。

・・・さらっと説明だけにとどめます。

というのも、実は持ってなくて使ったことがないんですよね。

 

ドラムのレイヤー

元がwavファイルのドラムループの場合は、トリガーのプラグインを利用する必要がありますが、自分の場合、ドラムはMIDI打ち込み。

MIDIデータがあるわけだからサンプラーで鳴らしてレイヤーした方が早いと考え、トリガーではなくレイヤーしています。

 

レイヤーとは

階層や層という意味で、異なる音/サンプルを重ねる意味で使います。

打ち込んだMIDIデータでドラム音源を鳴らしつつ、同じMIDIデータで別なサンプラーを同時に鳴らすイメージです。

 

Studio One4/BFD3/KONTAKT5での実例

自分の場合、Studio One4でドラム音源にはFXpansion BFD3、サンプラーNative Instruments KONTAKT5を使っています。

BFD3の設定。この時点で結構レイヤーしていますね。

この音源は使い方が難しめなので、そのうち別な記事にしようと思っています。

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なお、BFD3は上記の通り合計8トラックにパラアウトしています。

 

で、MIDIデータはこんな感じに打ち込みました。

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ここからレイヤーするサンプラーのトラックです。

バスドラ用とスネア用として、それぞれ別なインストゥルメントトラックを作成します。

自分の場合はそこでも複数のレイヤーを作っているので、マルチインストゥルメントでKONTAKT5を2つ、バスドラ用の場合は加えてJSD Sub Destroyerを1つ立ち上げています。

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KONTAKT5にはそれぞれ市販のサンプラー音源を立ち上げて、バスドラのキーマッピングを任意の同じ音に統一します。

バスドラはB-1にしています。

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SubDestroyerは省略。

BFD3のMIDIデータをコピーし、バスドラのMIDIノートを残してほかを削除した上で、バスドラのMIDIノートをB-1にします。

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あとは再生するだけ。ただし音源によってベロシティの効きは異なるので、必要に応じて調整してください。

 

MIDIデータも統一して、BFD3自体とKONTAKT5でマルチインストゥルメントを組みたかったんですが、マルチインストゥルメントをパラアウトできないんですよね。。。

Studio One4のマルチインストゥルメントが要は入れ物だし、パラアウト自体がプラグインの機能に依存するので、無理もないですが。

 

ドラムサンプル

様々なウェブショップで販売されていますので、ググるとたくさん出てくると思います。

中でもお気に入りはPANDA-SOUND。

DJENT、メタルコア、デスコア系のドラムサンプルや、IRデータなどを販売しているロシアのデベロッパー。音が好みです。

panda-sound.com

 

代表のJoey Sturgis氏自身がメタルコアの有名プロデューサーである、USのJoey Sturgis Drums。

同代表のプラグインデベロッパー、Joey Strugis Tonesも有名で有用です。

joeysturgisdrums.com

 

あと使ったことはないけどアングラ感あるサウンドが魅力の、フィンランドのUGRITONES。

ugritone.com

 

あとがき

今回はレイヤーという方法があるという話でした。

ただ、これはレイヤーに限らずプラグインの使い方もそうなんですけど、重ねれば重ねるほど、ノイズと言う意味でも低音のだぶつきという意味でも、音は濁ります。

きちんとした目的意識を持ってレイヤーすることが重要です。

じゃどういう観点で目的を設定すべきなのか。

目指す音次第、というと身も蓋もないので、別な機会に記事にしようと思います。

 

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byakusyn

 

コンプの定番1176のまとめ(Universal Audio 1176 Classic Limitter Collection)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

コンプで有名なものといえばいくつかありますが、特に有名なものといえば、1176シリーズ。

私もUniversal Audio純正のプラグインを愛用しています。

 

今回はその特徴とリビジョン、使用方法などをまとめました。

 

 

1176の特徴

1967年に米Universal Audioが発売した、FETタイプのコンプレッサー/リミッターです。

発売以後50年以上、現在でも多くのスタジオで使われ続けていて、モデリングプラグインも多数リリースされている名機中の名機と言われています。

FETタイプ特有のアタックの速さもさることながら、単なるコンプにとどまらず、音楽的な色付けが1176の特徴です。

リダクション量によってその程度は変わりますが、ミドルからミドルハイ辺りが少し張り出し、良い意味で若干歪みます。その歪みが音楽的で好まれます。

表面のパネルにLimitting Amplifierとある通り、単なるコンプレッサー/リミッターを超えて、一種のアンプと捉えるような使用方法もあります。

 

リビジョン

1176には多数のリビジョンがありますが、リイシューを除いて大きく分けると、以下に分けられます。

  • ブルーストライプ
  • ブラックパネル
  • シルバーパネル
  • リミテッドモデル

この内、よくプラグイン化されるのはブラックパネル、次点でブルーストライプです。また、Universal Audio純正のプラグインだと、リミテッドモデルのものがあります。

 

ブルーストライプ

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Rev.A/AB/Bのもので、シルバーの筐体にメータ辺りにブルーが入ったモデル。なのでブルーストライプ。

倍音が豊富で、他のリビジョンに比べると比較的色付けが濃い音色。

 

ブラックパネル

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Rev.C~Gのもので、特にC~Eの評価が高いようです。ブルーストライプよりいくらか上品な感じ。

ノイズを低減する仕組みが導入され、モデル名にLN(Low Noise)が付与されています。

 

シルバーパネル

Rev.H以降。シルバーパネルのプラグインは触ったことがないですが、実機の傾向としては一番落ち着いている音色らしいです。

 

リミテッドモデル

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Rev.Aの応答特性にRev.EのLN機構を組み合わせた、Rev.AEというものがあります。

このモデルは、レシオ2:1があったり、スローなアタックが設定できたりと、機能面でも他に無い特徴を持っています。

 

Universal Audio 1176のコントロール

私が愛用しているUniversal Audio 1176 Rev.Aを元に。

他のメーカーでもだいたい同じだと思います。ハードウェアのエミュレートだしね。

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  1. インプットゲイン
  2. アウトプットゲイン
  3. アタック
  4. リリース
  5. レシオ(ボタン式)
  6. メーター
  7. メーターの設定ボタン

スレッショルドのコントロールがない

スレッショルドは固定です。

その代わりインプットゲインのコントロールがあり、これを上げるとレベルが上がり、同時に圧縮がかかっていきます。上がりすぎた分はアウトプットゲインで下げます。

音量が小さいソースの場合、インプットゲインをフルテンにしてもスレッショルドまでレベルが上がらず、圧縮がかからない場合があります。

そのようなソースの場合は、前段でレベルを調整する必要があります。

 

アタックとリリースのコントロールは普通の感覚と逆

最初はしっくりこないポイントだと思います。

通常、左に回しきると最速、右に回しきると最遅になるのが普通ですが、1176は逆で、左に回しきると最遅、右に回しきると最速になります。

なんでこういう仕様にしたのかは謎ですが、慣れればなんていうことないです。音の変化で分かるし。

ちなみに、ノブには具体的な速度は記載されていませんが、1176のアタックタイムは0.02ms~0.80ms、リリースタイムは50ms~1.1sのようです。

 

セッティング

通常のコンプとしての設定は、あくまでコンプなのでソースによる、としか言えないですが、わかりやすい例として以下の動画が参考になるかと。

 

 

私がよくやる使い方は、以下のような感じです。

 

ギター

音作りの一環のイメージで使うことが多いです。

リズムギターにはRev.A、クリーンギターにはRev.E、リードギターにはRev.AEを使うことが多いです。

ゲインリダクションはどれも控えめで、-1~-3程度です。

 

ドラム

キックにRev.A、スネアにもRev.Aをパラレルでかけることが多いです。

ゲインリダクションはキックは-3db、スネアは-3db~-5dbくらい。パラレルコンプなので他よりちょっと強め。

 

ボーカルにかけるのが定番ですが、インストなのでね。

で、1176には定番のセッティングがいくつかあります。

ドクターペッパー

これは、アタックを10時、リリースを2時、レシオを4:1に設定するもので、とりあえずソースを選ばないオールマイティな設定です。

この名前は、毎日10時、2時、4時にドクターペッパーを飲んで糖分補給を促す、という昔の広告に由来しているそうです。

アメリカの広告なのかな。実際に見たことはないですが。

 

ブリティッシュモード

レシオボタンを全押しするセッティングです。有名な使い方ですね。コンプと言うより音作りとして使用されます。

60年代から70年代のUKでよく使用されたので、ブリティッシュモードというらしいです。年代としてはLed Zeppelin辺りですかね。

どうなるかと言うと、ぐぐっと歪みます。オーバードライブくらい。

椎名林檎の「本能」の冒頭のvoが、このセッティングを使用していると言われています。

 こういった、半ばエラーのような使用方法で音がかっこよくなる辺り、往年のアナログ機材の面白いところですね。

しかしメーターの針がビンビンに暴れまくるので、高価な実機で最初にやった人は、勇気ある人だったか富豪かこまけぇことはいいんだよ!なノリの人かのどれかだったと思います。

 

カラー

レシオを全てオフにするセッティングで、コンプとして使用せずサチュレーターのような使い方をします。

 

プラグイン

Universal Audio 1176 Classic Limitter Collection

本家。これ買っておけば間違い無しですが、UADハードウェアが必要となるため、持っていない人には敷居が高いですね。Rev.A、E、AEのセット。

www.uaudio.jp

 

WAVES CLA-76

クリス・ロード・アルジ氏が所有している1176をモデリングしたプラグイン。Rev.AとEのセット。

www.minet.jp

 

Black Rooster Audio VLA-FET

Rev.Fのモデリングらしいです。

blackroosteraudio.com

 

IK Multimedia BLACK 76 Limitting Amplifier

Rev.Eのモデリング

www.ikmultimedia.com

Purple Audio MC77

Rev.Eのモデリング。Plugin Allianceから。

www.plugin-alliance.com

 

Pulsar Audio Smasher

変わり種。ブリティッシュモードの再現に特化したプラグイン

pulsar.audio

 

他にも色々あると思いますが、Universal Audioしか使ったことがないので、紹介はこの辺まで。

 

あとがき

1176の魅力はやはり音色。特有の軽い歪み感はロックによく合います。

速いアタックで問題なければソースを問わずに使えるので、様々な場面で活用できると思います。

 

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byakusyn