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ミキシング迷子な人におすすめ「音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!」

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

初心者の頃、ミックスのやり方がわからず、とりあえずEQやコンプかけていた。

なんてことなかったでしょうか。

(自分は思いっきりやっていた口です)

 

そういった人には、

石田ごうき著「音圧アップのためのDTMミキシング入門講座!」をおすすめします。

やり方全然わからんといった初心者の人は、この本を読めばとりあえず大丈夫。

 

 

どんな本

石田ごうき氏による、ミックスの基本知識や考え方から、

実際のEQやコンプの使い方、全体的な仕上げまで、ミックスの一通りのノウハウが

記された著書です。

 

「音圧アップ」を謳っていて、それに準じたノウハウもありますが、

それよりもミックスの考え方ややり方に学ぶポイントが多かったと思います。

 

あと特徴として付録DVDに教材となる音声ファイルが収録されており、

読みすすめるのに合わせて実際に手を動かすことで、ミックスを体験できます。

音楽に関するものって、頭で分かっていてもなかなか身についていなくて、

自分のものとして使えないんですよね。

この体験できるところが本書のポイント。かつ他でなかなか無い特徴と思います。

 

フェーダー

ミックスとなるとEQやコンプをすぐ触りたくなりますが、まずはフェーダーで

音量バランスとるところから。

極論を言うと、EQは周波数を軸とした音量の調整、コンプはスレッショルド

アタック、リリース設定した時間軸での音量の調整と言えます。

つまりミックスのキモは音量調整。なのでフェーダー操作は一番ダイレクトに効く

ミックス手法です。

 

本書では、楽器の周波数帯と音量の完成イメージが図示されていて、

しかも、キックに対してスネアは95%くらい、タムはそれよりちょっと小さく、、

といったように具体的な例が示されているので、

それにあわせてフェーダー操作するだけで、だいぶ曲らしくなります。

 

EQ

基本はカットが鉄則、と多くの本で言われていて、この本も例に漏れないですが、

特徴は周波数帯を5つに分けて考えることと、ローカットフィルタ

(もしくはハイパスフィルタ)の重要性に重きが置かれています。

 

あと楽器ごとの周波数ポイントの記載もあります。が、これはスタイルによって

異なるので一概に言えないですね。

付録DVDのようにポップス~ロックあたりのバンドサウンドだと、だいぶ近いです。

 

コンプ

スレッショルド、レシオ、アタック、リリース、そしてリダクションの解説から。

これも他の本と同じですが、正直これは避けて通れないです。

中でも本書はわかりやすい感触。

 

個人的に良かったのは、アタックとリリースの説明でした。

アタック・リリースを長くしたとき、短くしたときの音の変化がとても分かりやすい。

空気感ー密度感と、前ー奥のマトリックスでコンプ設定をイメージするのも

よかったです。

 

ボーカル専用処理

自分はインストなので熟読していないですが、独自の処理が多い

ボーカル専用処理について専用の章立てを立てて説明しています。

自分は一部、リードギターのミックスに応用しています。

 

グルーヴコントロール

最後にグルーヴコントロール

グルーヴといっていますが、もっというと全体的な演出、といったところ。

割かれたページは多くないですが、更に一歩上に行くためのコツが書かれています。

 

ここで特に良かったのはボリュームオートメーション。

本書ではオーケストラでいう指揮者のようなセンスが発揮できるところ、と

説明されていて、これが自分にとてもピンと来ました。

あまり表に出していないですが、実はクラシックが好きでよく聴くんです。

指揮者にもよりますが、クラシックでは音量や強弱はもちろん、

速度も柔軟に変えて行きます。

ロック系だと速度を変えることはあまりないですが、強弱を変えることって

よくありますよね。あれをボリュームオートメーションで表現していくイメージです。

結構地味でマウスを握る手も疲れる作業ですが、やるのとやらないのでは

仕上がりに明確な差が出ます。

 

あとがき

ミックスはどういった手順で何をするとどうなるのかを身につけられる本です。

ネットを探すとミックスに関するノウハウは多いですが、断片的な情報だったり

レベルが合わなかったり、最初から順序立てて理解するには適していませんでした。

この本はその点を解決してくれる、初心者には強い味方になると思います。

 

ウィークポイントを挙げるならば、

  • 教材がポップス~ロックであるため、他ジャンルに合わない場合がある
  • ディレイ、リバーブなど空間系処理に関する記載がない
  • マスターエフェクトにに関する記載がない

といったところ。

ちなみに2番目3番目は著者の別著で触れています。

 

ミックスで悩んでいる人は一度読んでみることをおすすめします。

 

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