byakusyn(@byakusyn)です。
仕事が忙しく、久々の更新になってしまいました。
今回は打ち込みのドラムサウンドについて。特に激しめうるさめの音楽を作っている人向けです。
生っぽいと評判のドラム音源で曲を打ち込むといまいち音が貧弱に聞こえる、抜けてこない、好きなバンドのような音が出せない、という経験をした人も多いと思います。
そもそもの音作りが良くなかったり、ミックスが良くなくピークが被っていたりと色々理由はあります。
が、好きなアーティストのCDなどで聞いているドラムの音が、そもそも生ドラム(のみ)でないことがあります。
ドラムトリガー
多くのモダンなメタル系バンドが使っているドラムトリガー。
生ドラムに小型マイクのような装置を取り付け、打音に合わせて、接続した音源モジュールのサンプル音を発音する機材です。
マイクの見た目はこういう感じ。ROLAND RT-30HR。(画像は公式サイトより)
音源モジュールに予め作り込んだバスドラやスネアの音を設定しておくと、生ドラムの演奏と同時にその音を鳴らせるわけですね。
音は何も生音ライクなサウンドでなくても良いわけで、例えばエレドラやハードコアなシンセドラムにして、ゴリゴリなデジタルサウンドにすることもできます。
使い方次第です。
生ドラムでのトリガーには、生音に重ねることができる以外にもメリットがあります。
レコーディング後でもサンプルのサウンドメイクができたり、サンプルの割合を多くするor全差し替えする事でレコーディング時のマイク被りをなくすことができるなどのメリットがあります。
生ドラムのレコーディングでは、多数のマイクを使います。バスドラ、スネアは打面とスナッピー、タムと、上からシンバル狙って左右に・・・。
当然、スネアを叩くとスネアのマイクだけでなく、シンバルのマイクやタムのマイクでも拾うので、結構被ります。
被りが大きいと、例えばそのトラックをEQで調整するときに被った音にもEQがかかるため、全体の音像のコントロールが難しくなります。
昨今はだぶつきの少ないタイトなサウンドが流行りなので、被りはなるべく抑えたいところ。
DTMでのトラムトリガー
DTMのプラグインでも、ドラムトリガーを実現できるソフトが販売されています。
一番有名なのは、SLATE DIGITALのTRIGGER2。
次点?でAddictive DrumsのAddictive Trigger。
簡単に言うと、ドラムのオーディオを読み込み、検出したトランジェントに合わせて、設定したサンプルを鳴らすものです。
・・・さらっと説明だけにとどめます。
というのも、実は持ってなくて使ったことがないんですよね。
ドラムのレイヤー
元がwavファイルのドラムループの場合は、トリガーのプラグインを利用する必要がありますが、自分の場合、ドラムはMIDI打ち込み。
MIDIデータがあるわけだからサンプラーで鳴らしてレイヤーした方が早いと考え、トリガーではなくレイヤーしています。
レイヤーとは
階層や層という意味で、異なる音/サンプルを重ねる意味で使います。
打ち込んだMIDIデータでドラム音源を鳴らしつつ、同じMIDIデータで別なサンプラーを同時に鳴らすイメージです。
Studio One4/BFD3/KONTAKT5での実例
自分の場合、Studio One4でドラム音源にはFXpansion BFD3、サンプラーにNative Instruments KONTAKT5を使っています。
BFD3の設定。この時点で結構レイヤーしていますね。
この音源は使い方が難しめなので、そのうち別な記事にしようと思っています。
なお、BFD3は上記の通り合計8トラックにパラアウトしています。
で、MIDIデータはこんな感じに打ち込みました。
ここからレイヤーするサンプラーのトラックです。
バスドラ用とスネア用として、それぞれ別なインストゥルメントトラックを作成します。
自分の場合はそこでも複数のレイヤーを作っているので、マルチインストゥルメントでKONTAKT5を2つ、バスドラ用の場合は加えてJSD Sub Destroyerを1つ立ち上げています。
KONTAKT5にはそれぞれ市販のサンプラー音源を立ち上げて、バスドラのキーマッピングを任意の同じ音に統一します。
バスドラはB-1にしています。
SubDestroyerは省略。
BFD3のMIDIデータをコピーし、バスドラのMIDIノートを残してほかを削除した上で、バスドラのMIDIノートをB-1にします。
あとは再生するだけ。ただし音源によってベロシティの効きは異なるので、必要に応じて調整してください。
MIDIデータも統一して、BFD3自体とKONTAKT5でマルチインストゥルメントを組みたかったんですが、マルチインストゥルメントをパラアウトできないんですよね。。。
Studio One4のマルチインストゥルメントが要は入れ物だし、パラアウト自体がプラグインの機能に依存するので、無理もないですが。
ドラムサンプル
様々なウェブショップで販売されていますので、ググるとたくさん出てくると思います。
中でもお気に入りはPANDA-SOUND。
DJENT、メタルコア、デスコア系のドラムサンプルや、IRデータなどを販売しているロシアのデベロッパー。音が好みです。
代表のJoey Sturgis氏自身がメタルコアの有名プロデューサーである、USのJoey Sturgis Drums。
同代表のプラグインデベロッパー、Joey Strugis Tonesも有名で有用です。
あと使ったことはないけどアングラ感あるサウンドが魅力の、フィンランドのUGRITONES。
あとがき
今回はレイヤーという方法があるという話でした。
ただ、これはレイヤーに限らずプラグインの使い方もそうなんですけど、重ねれば重ねるほど、ノイズと言う意味でも低音のだぶつきという意味でも、音は濁ります。
きちんとした目的意識を持ってレイヤーすることが重要です。
じゃどういう観点で目的を設定すべきなのか。
目指す音次第、というと身も蓋もないので、別な機会に記事にしようと思います。
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byakusyn