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新曲"uminari"「海鳴り」をアップ

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2021/04/11に、新曲"uminari"「海鳴り」をアップしました。

 

 

今回の曲のテーマは以下でした。

・ブリッジミュートによる刻み

・5/8拍子

 

まず前者については、低音弦ローポジションのブリッジミュートと、中高音弦のミドルポジション単弦のブリッジミュートの対比。

特に単弦のブリッジミュートをユニゾンで左右に振るのが好きですね。

今までも使っていた手法だけど、どちらかというとHR/HMのテクニックで最近のバンドはあまりやらないので、むしろ積極的に使っています。

 

後者の5/8拍子は使い方が少し難しい拍子で、曲の流れを止めたり勢いを弱らせたりしがちな拍子。

5/8拍子は前後の関係性とフレーズによって、6/8拍子から1つ少なくなったのか、4/8拍子から1つ多くなったのか、どちらに聴こえるかを使い分けています。

メインリフでは少なく聴こえるように、続きのリフでは多く聴こえるようにアレンジしました。

 

ミックスについては、ギターは今までのやり方を踏襲しつつ、ドラムとベースを見直ししました。

まずドラムについて。リファレンス音源を改めて分析し直した結果、バスドラとスネアをもっと前に出すミックスを試しました。

リファレンス音源にdeftonesがあるんだけど、バスドラとスネアがでかいです。deftonesに限らず最近のモダンメタルバンドはその傾向にあると思います。

これによってノリがわかりやすく、ラウドなのにタイトにできたかと。

あと自分のようにインストの場合、ボーカルがいないため高音域が不足します。

そこをシンバルで補っているんですが、バスドラとスネアを前に出したことにより相対的にシンバルも前に出しました。

またコンプの重ねがけで強めに潰し、音の角を取ることで、馴染みやすい音像にしています。

さらにそこにサチュレーションをかけて、シンバルの金属音に歪み感を足しています。

 

ベースについては音作りを少し変えて、よりSpectorらしいタイト目の音にしました。

結果低音がタブつかず、レベルを上げて存在感を増す事ができました。

 

今回は目新しいことはせず自分の得意なところプッシュしました。

また一歩前進できたかなと思います。

 

打ち込みのドラムサウンドを分厚くする方法

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

仕事が忙しく、久々の更新になってしまいました。

 

今回は打ち込みのドラムサウンドについて。特に激しめうるさめの音楽を作っている人向けです。

 

生っぽいと評判のドラム音源で曲を打ち込むといまいち音が貧弱に聞こえる、抜けてこない、好きなバンドのような音が出せない、という経験をした人も多いと思います。

そもそもの音作りが良くなかったり、ミックスが良くなくピークが被っていたりと色々理由はあります。

が、好きなアーティストのCDなどで聞いているドラムの音が、そもそも生ドラム(のみ)でないことがあります。

  

 

ドラムトリガー

多くのモダンなメタル系バンドが使っているドラムトリガー。

生ドラムに小型マイクのような装置を取り付け、打音に合わせて、接続した音源モジュールのサンプル音を発音する機材です。

マイクの見た目はこういう感じ。ROLAND RT-30HR。(画像は公式サイトより)

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www.roland.com

 

音源モジュールに予め作り込んだバスドラやスネアの音を設定しておくと、生ドラムの演奏と同時にその音を鳴らせるわけですね。

音は何も生音ライクなサウンドでなくても良いわけで、例えばエレドラやハードコアなシンセドラムにして、ゴリゴリなデジタルサウンドにすることもできます。

使い方次第です。

 

生ドラムでのトリガーには、生音に重ねることができる以外にもメリットがあります。

レコーディング後でもサンプルのサウンドメイクができたり、サンプルの割合を多くするor全差し替えする事でレコーディング時のマイク被りをなくすことができるなどのメリットがあります。

生ドラムのレコーディングでは、多数のマイクを使います。バスドラ、スネアは打面とスナッピー、タムと、上からシンバル狙って左右に・・・。

当然、スネアを叩くとスネアのマイクだけでなく、シンバルのマイクやタムのマイクでも拾うので、結構被ります。

被りが大きいと、例えばそのトラックをEQで調整するときに被った音にもEQがかかるため、全体の音像のコントロールが難しくなります。

昨今はだぶつきの少ないタイトなサウンドが流行りなので、被りはなるべく抑えたいところ。

 

DTMでのトラムトリガー

DTMプラグインでも、ドラムトリガーを実現できるソフトが販売されています。

一番有名なのは、SLATE DIGITALのTRIGGER2。

stevenslatedrums.com

 

次点?でAddictive DrumsのAddictive Trigger。

www.xlnaudio.com

 

簡単に言うと、ドラムのオーディオを読み込み、検出したトランジェントに合わせて、設定したサンプルを鳴らすものです。

・・・さらっと説明だけにとどめます。

というのも、実は持ってなくて使ったことがないんですよね。

 

ドラムのレイヤー

元がwavファイルのドラムループの場合は、トリガーのプラグインを利用する必要がありますが、自分の場合、ドラムはMIDI打ち込み。

MIDIデータがあるわけだからサンプラーで鳴らしてレイヤーした方が早いと考え、トリガーではなくレイヤーしています。

 

レイヤーとは

階層や層という意味で、異なる音/サンプルを重ねる意味で使います。

打ち込んだMIDIデータでドラム音源を鳴らしつつ、同じMIDIデータで別なサンプラーを同時に鳴らすイメージです。

 

Studio One4/BFD3/KONTAKT5での実例

自分の場合、Studio One4でドラム音源にはFXpansion BFD3、サンプラーNative Instruments KONTAKT5を使っています。

BFD3の設定。この時点で結構レイヤーしていますね。

この音源は使い方が難しめなので、そのうち別な記事にしようと思っています。

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なお、BFD3は上記の通り合計8トラックにパラアウトしています。

 

で、MIDIデータはこんな感じに打ち込みました。

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ここからレイヤーするサンプラーのトラックです。

バスドラ用とスネア用として、それぞれ別なインストゥルメントトラックを作成します。

自分の場合はそこでも複数のレイヤーを作っているので、マルチインストゥルメントでKONTAKT5を2つ、バスドラ用の場合は加えてJSD Sub Destroyerを1つ立ち上げています。

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KONTAKT5にはそれぞれ市販のサンプラー音源を立ち上げて、バスドラのキーマッピングを任意の同じ音に統一します。

バスドラはB-1にしています。

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SubDestroyerは省略。

BFD3のMIDIデータをコピーし、バスドラのMIDIノートを残してほかを削除した上で、バスドラのMIDIノートをB-1にします。

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あとは再生するだけ。ただし音源によってベロシティの効きは異なるので、必要に応じて調整してください。

 

MIDIデータも統一して、BFD3自体とKONTAKT5でマルチインストゥルメントを組みたかったんですが、マルチインストゥルメントをパラアウトできないんですよね。。。

Studio One4のマルチインストゥルメントが要は入れ物だし、パラアウト自体がプラグインの機能に依存するので、無理もないですが。

 

ドラムサンプル

様々なウェブショップで販売されていますので、ググるとたくさん出てくると思います。

中でもお気に入りはPANDA-SOUND。

DJENT、メタルコア、デスコア系のドラムサンプルや、IRデータなどを販売しているロシアのデベロッパー。音が好みです。

panda-sound.com

 

代表のJoey Sturgis氏自身がメタルコアの有名プロデューサーである、USのJoey Sturgis Drums。

同代表のプラグインデベロッパー、Joey Strugis Tonesも有名で有用です。

joeysturgisdrums.com

 

あと使ったことはないけどアングラ感あるサウンドが魅力の、フィンランドのUGRITONES。

ugritone.com

 

あとがき

今回はレイヤーという方法があるという話でした。

ただ、これはレイヤーに限らずプラグインの使い方もそうなんですけど、重ねれば重ねるほど、ノイズと言う意味でも低音のだぶつきという意味でも、音は濁ります。

きちんとした目的意識を持ってレイヤーすることが重要です。

じゃどういう観点で目的を設定すべきなのか。

目指す音次第、というと身も蓋もないので、別な機会に記事にしようと思います。

 

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byakusyn

 

コンプの定番1176のまとめ(Universal Audio 1176 Classic Limitter Collection)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

コンプで有名なものといえばいくつかありますが、特に有名なものといえば、1176シリーズ。

私もUniversal Audio純正のプラグインを愛用しています。

 

今回はその特徴とリビジョン、使用方法などをまとめました。

 

 

1176の特徴

1967年に米Universal Audioが発売した、FETタイプのコンプレッサー/リミッターです。

発売以後50年以上、現在でも多くのスタジオで使われ続けていて、モデリングプラグインも多数リリースされている名機中の名機と言われています。

FETタイプ特有のアタックの速さもさることながら、単なるコンプにとどまらず、音楽的な色付けが1176の特徴です。

リダクション量によってその程度は変わりますが、ミドルからミドルハイ辺りが少し張り出し、良い意味で若干歪みます。その歪みが音楽的で好まれます。

表面のパネルにLimitting Amplifierとある通り、単なるコンプレッサー/リミッターを超えて、一種のアンプと捉えるような使用方法もあります。

 

リビジョン

1176には多数のリビジョンがありますが、リイシューを除いて大きく分けると、以下に分けられます。

  • ブルーストライプ
  • ブラックパネル
  • シルバーパネル
  • リミテッドモデル

この内、よくプラグイン化されるのはブラックパネル、次点でブルーストライプです。また、Universal Audio純正のプラグインだと、リミテッドモデルのものがあります。

 

ブルーストライプ

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Rev.A/AB/Bのもので、シルバーの筐体にメータ辺りにブルーが入ったモデル。なのでブルーストライプ。

倍音が豊富で、他のリビジョンに比べると比較的色付けが濃い音色。

 

ブラックパネル

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Rev.C~Gのもので、特にC~Eの評価が高いようです。ブルーストライプよりいくらか上品な感じ。

ノイズを低減する仕組みが導入され、モデル名にLN(Low Noise)が付与されています。

 

シルバーパネル

Rev.H以降。シルバーパネルのプラグインは触ったことがないですが、実機の傾向としては一番落ち着いている音色らしいです。

 

リミテッドモデル

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Rev.Aの応答特性にRev.EのLN機構を組み合わせた、Rev.AEというものがあります。

このモデルは、レシオ2:1があったり、スローなアタックが設定できたりと、機能面でも他に無い特徴を持っています。

 

Universal Audio 1176のコントロール

私が愛用しているUniversal Audio 1176 Rev.Aを元に。

他のメーカーでもだいたい同じだと思います。ハードウェアのエミュレートだしね。

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  1. インプットゲイン
  2. アウトプットゲイン
  3. アタック
  4. リリース
  5. レシオ(ボタン式)
  6. メーター
  7. メーターの設定ボタン

スレッショルドのコントロールがない

スレッショルドは固定です。

その代わりインプットゲインのコントロールがあり、これを上げるとレベルが上がり、同時に圧縮がかかっていきます。上がりすぎた分はアウトプットゲインで下げます。

音量が小さいソースの場合、インプットゲインをフルテンにしてもスレッショルドまでレベルが上がらず、圧縮がかからない場合があります。

そのようなソースの場合は、前段でレベルを調整する必要があります。

 

アタックとリリースのコントロールは普通の感覚と逆

最初はしっくりこないポイントだと思います。

通常、左に回しきると最速、右に回しきると最遅になるのが普通ですが、1176は逆で、左に回しきると最遅、右に回しきると最速になります。

なんでこういう仕様にしたのかは謎ですが、慣れればなんていうことないです。音の変化で分かるし。

ちなみに、ノブには具体的な速度は記載されていませんが、1176のアタックタイムは0.02ms~0.80ms、リリースタイムは50ms~1.1sのようです。

 

セッティング

通常のコンプとしての設定は、あくまでコンプなのでソースによる、としか言えないですが、わかりやすい例として以下の動画が参考になるかと。

 

 

私がよくやる使い方は、以下のような感じです。

 

ギター

音作りの一環のイメージで使うことが多いです。

リズムギターにはRev.A、クリーンギターにはRev.E、リードギターにはRev.AEを使うことが多いです。

ゲインリダクションはどれも控えめで、-1~-3程度です。

 

ドラム

キックにRev.A、スネアにもRev.Aをパラレルでかけることが多いです。

ゲインリダクションはキックは-3db、スネアは-3db~-5dbくらい。パラレルコンプなので他よりちょっと強め。

 

ボーカルにかけるのが定番ですが、インストなのでね。

で、1176には定番のセッティングがいくつかあります。

ドクターペッパー

これは、アタックを10時、リリースを2時、レシオを4:1に設定するもので、とりあえずソースを選ばないオールマイティな設定です。

この名前は、毎日10時、2時、4時にドクターペッパーを飲んで糖分補給を促す、という昔の広告に由来しているそうです。

アメリカの広告なのかな。実際に見たことはないですが。

 

ブリティッシュモード

レシオボタンを全押しするセッティングです。有名な使い方ですね。コンプと言うより音作りとして使用されます。

60年代から70年代のUKでよく使用されたので、ブリティッシュモードというらしいです。年代としてはLed Zeppelin辺りですかね。

どうなるかと言うと、ぐぐっと歪みます。オーバードライブくらい。

椎名林檎の「本能」の冒頭のvoが、このセッティングを使用していると言われています。

 こういった、半ばエラーのような使用方法で音がかっこよくなる辺り、往年のアナログ機材の面白いところですね。

しかしメーターの針がビンビンに暴れまくるので、高価な実機で最初にやった人は、勇気ある人だったか富豪かこまけぇことはいいんだよ!なノリの人かのどれかだったと思います。

 

カラー

レシオを全てオフにするセッティングで、コンプとして使用せずサチュレーターのような使い方をします。

 

プラグイン

Universal Audio 1176 Classic Limitter Collection

本家。これ買っておけば間違い無しですが、UADハードウェアが必要となるため、持っていない人には敷居が高いですね。Rev.A、E、AEのセット。

www.uaudio.jp

 

WAVES CLA-76

クリス・ロード・アルジ氏が所有している1176をモデリングしたプラグイン。Rev.AとEのセット。

www.minet.jp

 

Black Rooster Audio VLA-FET

Rev.Fのモデリングらしいです。

blackroosteraudio.com

 

IK Multimedia BLACK 76 Limitting Amplifier

Rev.Eのモデリング

www.ikmultimedia.com

Purple Audio MC77

Rev.Eのモデリング。Plugin Allianceから。

www.plugin-alliance.com

 

Pulsar Audio Smasher

変わり種。ブリティッシュモードの再現に特化したプラグイン

pulsar.audio

 

他にも色々あると思いますが、Universal Audioしか使ったことがないので、紹介はこの辺まで。

 

あとがき

1176の魅力はやはり音色。特有の軽い歪み感はロックによく合います。

速いアタックで問題なければソースを問わずに使えるので、様々な場面で活用できると思います。

 

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byakusyn

 

2020年活動の振り返り

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2020年もあと僅かとなりました。

今年のbyakusynとしての活動を振り返ってみます。

 

まずは04/01、1stアルバムをリリースしました。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

 

byakusynとして2017年に活動を始めて、2019年7月までの10曲を再録音、ミックスし直して、bandcampとSpotifyで配信しました。

配信はCD Babyを利用しました。詳細は以下記事にしています。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

サブミッションメディアを活用し、現在でトータル20,000ストリームを超えていました。思ったより行きましたね。

サブミッションメディアについては以下記事にしています。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

 

byakusyn.hatenablog.com

 

あと新曲を3曲作りました。

2020/06/28 suiu「翠雨」

 

byakusyn.hatenablog.com

 

2020/09/05 tsume to suzuran「爪と鈴蘭」

 

byakusyn.hatenablog.com

 

2020/12/12 sagiri no ato「狭霧の後」

 

byakusyn.hatenablog.com

 

今年目標としていたアルバムはリリースできましたが、新曲については相変わらず筆が遅いですね。。。

 

あとアルバムですが、フルアルバムはちょっと長いのと、私の筆の速さだとアルバム分の曲を作りためるのに時間がかかるので、次は5、6曲くらいのサイズにしようかと思っています。

 

今年はコロナコロナで、行きたかった5月のAlcest来日も延期となり、ライブ参加が0という寂しい年になりました。大好きな温泉にもほぼ行けず。

まさかこんなことになるとは、2019年には思いもよらなかったですが、この状況はしばらく続きそうですね。

 

まずは 健康第一。世の中の混乱が収まることを祈念します。

 

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byakusyn

  

新曲"sagiri no ato"「狭霧の後」をアップ

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byakusyn(@byakusyn)です。

2020/12/12に、新曲"sagiri no ato"「狭霧の後」をアップしました。

 

 

今回の曲のテーマは以下でした。

  • 響きの柔らかさとラウドなサウンドの両立
  • 変化しないコードワークと変化するコードワークの共存

 

前者については、クローズとオープンのコードを使い分けて、クローズでラウドさ、オープンで柔らかさのメリハリを付けました。

オープンにしづらいコードでも、追加で高音弦を押弦したので、今まで弾いたことのないようなコードフォードフォームのコードがちらほらあります。

 

校舎については、中間あたりのコード進行のところで試みました。

クリーントーンで同じコードを弾いている中で、リズムギターがコードチェンジ。

リズムギター側のコードを、前半と後半で音形とキーを変えずに半音から1音下げています。

転調していないから前半の雰囲気は残りつつも、クリーントーンのコードの聴こえ方が少し変わる辺りが狙った効果です。

 

テーマはどちらも、曲中で何かと何かを対比することに汎化される内容です。

和声でも、対位法的アプローチでも、ニュアンスの強弱でも、あらゆる点において言えることであり、私の中で目新しいものではないです。

でも今回の曲で、そこについて一歩先に進めたかなと感じています。

 

ミックスについては、基本的には前回の曲"tsume to suzuran"を踏襲していますが、ミックスではBBE Sonic Sweetをクリーンギターに使用して、きらびやかさを強調しました。

あとはマスターのエフェクトと整理。

前回までiZotope OZONE9シリーズを使用していましたが、他のプラグイン、特にVST2のものと相性が悪いようで、VST2のプラグインがうまく読み込めない現象が発生しました。(ホストはStudio One 4.5.4)

で、そこをブラックフライデーで買った、Softube Weiss Complessor/Limiter、同MM-1、同じくSoftube Chandler Limited Curve Benderでまとめました。

 

テーマに挙げた、響きの柔らかさとラウドなサウンドの両立に対して、また一歩近づけたかなと。

このテーマは今後も度々挙げて行くと思うので、更に磨いて行きたいです。

 

 

2020年印象に残った新譜のまとめ(ポストメタル、ポストブラック多め)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2020年ももうすぐ終わり。

Twitterでつぶやいていた、今年リリースされ印象深かった新譜を振り返りをまとめました。

ポストメタル、ポストブラック多め。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好みが思いっきり出ているラインアップです。

しかし、今年の一番の驚きは、バンドリ勢のクオリティの高さですね。

シンセやDJ、コーラスなど、音色が多い中で音を畳み掛けるように、しかしどこで何を聴かせたいか目的意識がはっきりしたアレンジとミックス。

勉強になります。

 

ちなみに国別のアーティスト数は以下の通りでした。

日本:3

US:2

ロシア:2

UK:1

オランダ:1

ドイツ:1

イタリア:1

スペイン:1

ポーランド:1

オーストリア:1

スウェーデン:1

ハンガリー:1

 

狙ったわけではないですが、ばらばらですね。

しかし世界中の国の、メジャー・マイナー問わず様々な音楽が聴けることは、我々リスナーにとっては幸せなことです。

 

来年はどんな新譜が出てくるのか楽しみ。

 

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byakusyn

 

メタルギターのブリッジミュートをダイナミックEQでうまいことズンズンさせる方法(Sonnox Oxford Dynamic EQ)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

久しぶりの更新になってしまいました。

今回はミックステクニックの紹介。

 

メタル好きギタリストの生命線の一つと言えるブリッジミュート。

かく言う私も好きで、意味もなくズンズンしてリフを弾いていると気持ちよくなってくるわけです。

が、ミックスの観点から考えると、ちょっとケアが必要な奏法でもあります。

 

 

ブリッジミュートの特徴

ブリッジミュートの低音は弾いているときに気持ちよくても、ミックスするときに膨らみすぎて邪魔になるケースがあります。

じゃあEQで少しローカット。しかしブリッジミュート時にちょうど良いローにすると、今度はコードワークが物足りない。

こういうジレンマに陥りがちです。

本来はそれを見越した演奏をできていれば良いわけですが、なかなかね。。。

 

こういうときに活躍を期待できるのが、ダイナミックEQです。

 

ダイナミックEQとは

通常のEQは指定した周波数帯を指定した分ブースト、カットするのに対し、ダイナミックEQはスレッショルドで設定した入力量により、EQゲインが時間軸で動的に変化するEQです。

動的なのでダイナミック。

その点において、EQのかかる仕組みはコンプに似ています。

コントロールスレッショルドの他にアタック、リリースなどがあります。

 

これにより何が良いかというと、入力レベルがスレッショルドを下回る時はEQを適用せず、上回ったときだけEQを適用できます。

 

ブリッジミュートへの適用

Sonnox Oxford Dynamic EQを使っています。

チューニングや音の作り方によって異なるので、私の場合のセッティングです。

中心周波数は115Hzあたり、ブリッジミュートを一番多用する音で弾いたときに一番ピークになる場所を設定。

ブリッジミュートのときだけにEQが反応するようにスレッショルドを設定するのがポイント。

アタックを速くして頭だけに引っかかるようにして、リリースを短くして違和感が出ないようにしています。

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中央の白い太めの実線が実際に適用されているEQカーブです。

速アタック速リリースにしているので、-4dbくらいまでリダクションすることが多いです。

これでブリッジミュートでズンズンすると、ローの主張をちょうどよいところに設定でき、かつ曲中で映えつつもなじませることができます。

 

Sonnox Oxford Dynamic EQの各コントロール

違うプラグインでも、コントロールはだいたい似たようなものだと思います。

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  1. EQ/サイドチェインの有効無効
  2. ソロ
  3. EQカーブ(High Shelf/Bell/Low Shelf)
  4. 中心周波数(バンドマーカーと連動)
  5. Q
  6. ターゲットゲイン(ダイナミックEQが到達しようとするゲイン)
  7. オフセットゲイン(通常のEQのゲイン)
  8. Peak:全体的なピークに反応させる場合、Onset:信号レベルの突然の増加にのみ反応させる場合
  9. Above:信号がスレッショルドレベルを上回った場合に動作、Below:信号がスレッショルドレベルを下回った場合に動作
  10. スレッショルド
  11. ゲインがどのくらい反応するか。コンプのレシオのようなもの
  12. アタック
  13. リリース
  14. アウトプット

 

マルチバンドコンプとの違い

大体同じことはできます。

実際は仕組みが異なるため、クロスオーバー周波数付近で位相のずれが発生することががあるようですが、気にならないレベルならば使いやすい方で良いかと。

ちなみに仕組みについてはこちらの記事が詳しいです。

 

soundevotee.net

 

ダイナミックEQは見た目がアナライザ風+ほぼEQなので、感覚的にわかりやすいですね。

私の場合、ブリッジミュートのように局所的に処理したい場合はダイナミックEQ、ベースのように弦単位やポジション単位で少し幅広めに処理したい場合はマルチバンドコンプを使っています。

 

注意点

なんとなく使える(気になってしまう)エフェクト筆頭のEQと、初心者キラーであるコンプ。

このミックスでとても有用な2つの特性をあわせ持っているダイナミックEQ。

 

1つ目の注意点は、当然コンプの知識がないと使いこなせないことです。

難しいと感じる人は、まずコンプを学ぶのをおすすめします。

 

2つ目の注意点は、EQとコンプの特性をあわせ持っているため、このエフェクトだけでかなり作り込みができます。

それが故に、ダイナミックEQに無意識に固執して別アプローチを見逃し、結果的に遠回りすることがあります(私はありました)。

すごくこだわって作り込んでうまく行かず、ダイナミックEQ外して普通にEQとパラレルコンプかけたらよくなったんですよね。

なので、今はなるべく局所的に使うようにしています。その点ではマルチバンドコンプも同じ。

 

プラグイン

Sonnox Oxford Dynamic EQ

以前はダイナミックEQといえばこれしかなかったですね。とても高品位なエフェクト。

今セールで安いみたいです。\33,000→\7,000。

www.minet.jp

 

FabFilter Pro-Q3

みんな大好きFabFilterもQ3になってダイナミックEQ機能を搭載しました。

www.fabfilter.com

 

TOKYO DAWN RECORDS TDR NOVA

ダイナミックEQがフリーで手に入るなんて良い時代。

最初はフリーでという人も、気軽に始められると思います。

www.tokyodawn.net

 

他にもiZotope Neutron、Waves C6、F6あたりもあるようですね。結構あるね。

 

あとがき

メタルの生命線であるブリッジミュート、細かく処理することで存在感を失わずに曲をまとめることができると思います。

お試しあれ。

  

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byakusyn