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低粘度油性4色ボールペンの比較(ジェットストリーム/アクロボール/スラリ/ビクーニャ)

byakusyn(@byakusyn)です。

 

革新的なジェットストリームの誕生から、ボールペンメーカーが研究を重ね低粘度油性ボールペンを発表し、しのぎを削っています。

ではそれぞれどんな発色、書き味なのか、また裏写り有無も含めて検証します。

なお今回はインクの違いにフォーカスしているため、軸の違いには触れません。

 

 

4つの4色ボールペン

まずはそれぞれの紹介から。太さは0.7mmで統一しています。

上から三菱鉛筆ジェットストリームパイロットのアクロボール、ゼブラのスラリ、ぺんてるビクーニャです。

スラリだけ、シャープペン機能もあります。

三菱鉛筆 ジェットストリーム

言わずとしれた低粘度ボールペンの先駆け。摩擦が少なくなめらかな書き味と速乾性が特徴で、この分野の一番人気かな。

お値段\500で、その人気故にどこでも手に入る入手性も魅力です。

 

パイロット アクロボール

ジェットストリームを追ってパイロットが開発した、発色の良いアクロインキを搭載。

お値段\450。ジェットストリームに並ぶ入手性の良さ。

 

ゼブラ スラリ

世界初、油性と水性を混合したエマルジョンインクを搭載。ゲルインクと油性インクそれぞれの長所をいいとこ取りしたような性質。

お値段\500。

 

ぺんてる ビクーニャ

書き味と発色を売りとするビクーニャインキを搭載。入手性は良くないが、その性能は如何に。

お値段\450。

 

比較

試し書きには「永」と「裁」という字が良いんだそうで。

字の中にとめ、はね、はらい、横線、縦線、点と、日本語の文字の要素一通りが含まれているのが理由だそうです。

ということで、上手い字ではないですが、それぞれのボールペンそれぞれの色で「永」「裁」を書きました。

ノートは普通のKOKUYO Campusノートです。

また比較しやすいように、画像の明るさのみ調整しています。


ジェットストリームはやはり良い。書き味が滑らかですね。

人によっては滑りすぎる、と感じる人もいるらしいですが、自分は問題ないです。

発色は暗めで、鮮やかさはあまり感じないです。

 

アクロボールは滑らかであるもののジェットストリームほど滑りがあるわけではなく、一方でインクが良く出て書いていて気持ち良いですね。

インクが濃く鮮やかな印象で、同じ0.7mmだけど気持ち太く書ける気がします。

 

スラリは油性+水性の性質を書き味にも感じます。粘りが少なくまさにスラスラといった感じ。書きやすいです。

アクロボールとは逆に細字の感触。自分の個体のせいかもしれませんが、少しかすれることがあります。

発色は赤と青は良いですね。緑はいまいち。

 

ビクーニャジェットストリームに近い書き味ですが、こちらも少し細字の印象。

そのせいか緑に若干のかすれを感じました。

発色はアクロボールともまた異なる発色の良さ。特に緑が一番明るい色合いでした。

 

次に裏写りの比較です。

どうなんでしょうかね。気持ちジェットストリームが裏写りしているかな、くらいの印象で、明確に抜けているものはありません。そんなに大差は無いような気がします。

 

あとがき

今回4色ボールペンを買い込み比較してみましたが、どれも高い品質です。正直好みでしょうね。

滑らかに書きたい場合はジェットストリーム、濃くはっきり書きたい場合はアクロボール、発色の良さでスラリ、滑らかさと発色の両立のビクーニャなど。

おれの場合主にアクロボールだけど、たまにジェットストリームを使います。

軸は以前紹介したパイロットのレグノ メイプルを愛用。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

でもスラリとビクーニャを改めて使ってみると、また違った快適さの書き味がよいですね。

色々と試してみると面白いです。

 

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byakusyn

 

新曲"tamayura"「玉響」をアップ

byakusyn(@byakusyn)です。

 

2022/04/08に、新曲"tamayura"「玉響」をアップしました。

 

 

今回の曲のテーマは以下でした。

  • スローな雰囲気もの
  • 少しずつ盛り上がっていく曲構成

 

ポストロック王道のテーマだけど、実は今まで作ったことがないパターンでした。

いつもがっちり歪ませたリズムギターのリフから作るからなんでしょうね。

なので今回は作曲アプローチから変えていて、クリーンギターから作っています。

 

また雰囲気ものということでコードのテンションノートにも工夫を。

響きが物足りなかった場合は、欲しい音を探して押弦可能な範囲でボイシングしてコード作った箇所もあります。

具体的にはローポジ4フレット弦飛びを人差し指と中指で押さえてて、結構きついものの緊張感ある響きが得られて面白いですね。

 

拍子は主に7/8拍子で一部のみ6/8拍子。

統一感ある雰囲気を推したかったので転調は無し。

使いやすいポジションで全音程の音を多用したく、またコード進行が全音ずつ上がって最後のコードへ半音進行し解決感を出したかった。

それを考えてキーを選択しています。そのおかげか今までの曲とは少し違う雰囲気になったような気がしますね。

また今回はソフトシンセのOmnisphere2を導入しました。薄いパッドのような入れ方だけど、今後も使って行きたいです。

 

ミックスについては新たなインプットを得られたので、ゼロベースとまでは行かないまでもそこそこプロセスを見直しています。
特筆点としては、バスドラやスネアなどのアタックをコンプで調整していたところを、トランジェントシェイパーを使ったところ、目的の薄めなアナログモデリング系のプラグインをなるべく省いたところ。
全体の音像が少しすっきりしたかなと思います。

DTMにおけるプラグインは、通すだけで音が良くなる、なんてことはありません。

通せば通すほど音が濁ります。アナログモデリングについてはなおさらです。

これらを省くことで、全体を少しクリアにできたかと。

アナログモデリングプラグインは大好きなんですけどね。

 

とりあえず、今回の曲で新しい領域に一歩踏み出せたと思います。

少しずつでも領域を広げるのは自分の糧となり、何より楽しいですね。

 

コンプの動作方式別の使い分け方

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

コンプと一言で言ってもその動作方式が色々あって、それぞれ音楽的な特性にも影響を与えています。

それらを理解することによって、より適切なコンプ選びができる。

ということで、コンプの動作方式と代表機種、使いどころについてまとめました。

 

 

主な動作方式

コンプの動作方式には、主に以下の種類があります。

 

では一つずつ見ていきましょう。

 

FET

FETとはFIeld Effect Transistorの略で、電界効果トランジスタを意味します。要はトランジスタを使ってゲインリダクションを行う方式です。

他の動作方式とは比較的速いアタック、所謂音楽的な歪みが特徴です。

代表はUniversal Audio 1176、代名詞のような機種です。以前記事にしました。

byakusyn.hatenablog.com

 

UAD-2 1176 Rev.Aのフロントパネル。

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用途としては、パンチや歪み感が欲しいソースに使うことが多く、ロック系ではドラムやベース、ギターなど幅広く使われる印象です。

逆に全体を均すのにはあまり向いていないです。

おれの場合は、ドラムのスネアとオーバーヘッド、クリーンギターに使うことが多いですね。

 

Opt(光学式)

Opt(光学式)とは、白熱電球発光ダイオードなどの光源の発光量を入力信号によって変化させ、その発光をフォトセルと呼ばれる入射する光量で電気抵抗が変化する電子部品で検知することでゲインリダクションを行う方式です。

光を使うから速い、ではないです。電球などの発光体を使用するので、他の動作方式に比べてアタックが遅いのが特徴です。特性がFETと逆ですね。

またきっちりした動作というより、全体的にゆるく、自然にかかる印象です。

代表はTeletronix LA-2A、LA-3A。LA-2Aは以前に記事にしました。

byakusyn.hatenablog.com

 

UAD-2 LA-2A Silverのフロントパネル。

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用途としては、全体を均すのに向いています。そのためボーカルやアコギ、ベース(スラップ以外)に使われることが多いです。

一方で、スパイクの多くピーキーなパートには向いていません。

おれの場合はベースと、ロングトーンを使うリードギターに使うことが多いです。

 

Tube(真空管)

その名の通り、ギタリストが大好きな真空管を使用してゲインリダクションを行う方式です。

最も歴史がある一方で、未だにプロの現場で重宝され続けるすごいやつ。

特徴はイメージ通り、スムーズでウォーム。レシオは設定があるもののゲインリダクションによって増減したり、アタックも遅めで自然にかかるため、とても音楽的な効果が得られます。

代表はFairChild 670、Manley Variable-Muなど。

UAD-2 FairChaild 670のフロントパネル。

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用途としては、比較的Optに近い特性があると言われているため、そちらに準じます。

おれの場合は、ドラムバスに使います。UAD-2のプラグインを使っていますが、サイドチェインEQとDry/Wetコントロールがあり、使いやすいです。

 

VCA

VCAとはVoltage Controlled Amplifierの略で、電圧制御アンプを意味します。

トランジスタで動作する点はFETと同様なのですが、FETは電界効果トラジスタの中で動作するのに対し、VCAはICに組み込んだトランジスタで動作する方式、らしいです。

そのため特徴はFETに似ており、歪みが少なく、スレッショルドやアタック、リリースなどのコントロール類が、比較的正確に動作します。

FETの仲間なので、機種にもよりますが速いアタックでの処理が可能です。

代表はSSL BUS Compressor、dbx 160、API 2500など、所謂バスコンプです。

UAD-2 API 2500のフロントパネル。

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おれの場合、ドラムのオーバーヘッドに使います。

 

あとがき

コンプと一言で言っても、ゲインリダクションを行う動作方式によってその掛かり方が異なります。

しかしこれらは実機の話で、プラグインの場合はどこまで実機に寄せているのか、逆に、利便性を向上させるためにオールマイティな味付けにしているか、などによって変わってきます。

なので、大きな道筋として考える程度に留めて、神経質に使用用途に沿う必要はないと思います。アマチュアがこれらの実機に触れる機会は少ないと思いますしね。

ただこういった知識があると、より目的にあった道具をチョイスしやすいと思います。

全ては、コンプを適用してどういった効果が欲しいのか。あくまで道具の一つ。

道具に使われることなく、道具を使いこなして、より良いサウンドに仕上げたいものです。

 

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byakusyn

 

新曲"hakugin to kosai"「白銀と虹彩」をアップ

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2022/01/04に、新曲"hakugin to kosai"「白銀と虹彩」をアップしました。

 

 

今回の曲のテーマは以下でした。

 

・テンポ早め

・コードの響き重視

・好きでよく使う3拍子を使わない

 

上の2つは今までの流れの踏襲だけど、3拍子を使わないテーマは今回初めて試してみました。

しかし拍子は変えたくなるんですよね。

今回はメインリフの一部が2/4にしてみたところ、よい感じになりました。

 

曲展開については、主題労作ほどのものではないけど、序盤に登場するリフを後半に形を変えて提示するのが好きで、今までの曲でもよくやっています。

メインリフはラストでコードと拍子を追加、Aメロは最後のリフに繋がるところでリズムと音を変えています。

単音ブリッジミュートのリフは、前半と後半で音形は同じで高さを変化させて、曲展開をサポートしています。

 

なお主題労作とはクラシックの音楽の中で使われる言葉で、楽曲の主題、いわばメインリフのモチーフを変奏して曲中で何度も使用することで統一感を出す手法のことです。

おれが最も敬愛するブラームスがこの技法を得意としていることが有名です。

おれの曲はクラシックに比べて短いしアカデミックでも無いし、労作って程の回数じゃ無いけど、元あるリフを変形させるヒントになりました。

 

リードギターは2本で、中間部はハイトーンのリードに対して音程低めのトレモロリフを掛け合わています。

この辺りのアレンジは、これまたクラシックの合唱曲の、バリトンとソプラノのイメージからヒントを得ています。

 

次にサウンドについて。

今までから一番変更したのはベースで、今回はピック弾きで、Neural DSPのParallaxでかなり歪ませています。

やっぱSpectorはピック弾きのサウンドもよいですね。メイプルならではの気持ち良いローとハイの出方がします。気持ちよくていつまでも弾いていたくなる。

 

ドラムはレイヤーするサンプルをちょっと変えて、バスドラとスネアの押し出しを強めてみました。今回バスドラはちょっとやりすぎたかもしれませんね。

ドラムはフレーズもサウンドも、常に試行錯誤の繰り返しです。

 

次回は上記に加えて、ギターのローの扱いについても深めていきたいですね。

もう少しエグみのあるローが欲しいなと感じます。

 

2021年の活動の振り返り

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

2021年もあと僅か。今年の活動を振り返ってみます。

 

今年はアルバムやEPをリリースをせず、単曲の発表のみとなりました。

去年の段階では5~6曲程度のEPリリースも考えていたんですが、そこはやはりCD世代。フルレングスを視野に入れて曲を作っています。

今のペースだと、再来年かな。。

 

新曲は2曲でした。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

 

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2曲しか作ってなかったんか今年。

筆を早めたいと毎年思うけど、どんどん遅くなっていっている矛盾。

 

ブログは序盤は割と書いていましたが、今年の後半は仕事が忙しくなったこともありこちらも失速。

しかし、1176とLA-2Aのまとめ記事は力を入れたので、なかなか内容が充実していると思っています。

DAWでミックスする人には、そこそこ有益な情報ではないかと。

半分は自分用にまとめたものだけど。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

 

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コロナ禍については、新しい株ができたりとまだ油断ができないではありつつも、だいぶ新規感染者数も落ちてきて、以前よりは動きやすくなってきました。

そろそろ温泉行きたい。

 

来年もよろしくお願いします。

 

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byakusyn

 

2021年新譜のまとめ

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

早いもので2021年も終わり。

Twitterでつぶやいていた新譜についてまとめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は新譜を買った数が少なった感触だったけど、いざ並べると少なくもないですね。

 

国別のアーティスト数は以下の通りでした。シングルや単曲のバンドも含めます。順不同。

US:4

ロシア:3

UK(イングランド):1

アイルランド:1

フランス:1

ドイツ:1

オランダ:1

イタリア:1

スペイン:1

デンマーク:1

ベルギー:1

オーストリア:1

日本:0

 

相変わらずのばらけ具合。

また来年はどんな新譜が発表されるのでしょうか。楽しみです。

 

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byakusyn

 

コンプの定番LA-2Aまとめ(Universal Audio Teletronix LA-2A Classic Leveler Collection)

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byakusyn(@byakusyn)です。

 

ミキシングにおけるコンプで最も有名なものといえば、まず思いつくのが前に記事にした1176シリーズ。

 

byakusyn.hatenablog.com

 

今回は1176に並んで有名な、Teletronix LA-2Aについて、特徴と使用方法などをまとめました。

 

 

LA-2Aの特徴

1962年に米Teletronix社が開発した、光学式コンプレッサーです。コンプレッサーと表現しますが、商品名はLeveling Amplifierです。

光学式といえばまずこれとも言えるほど有名な機種で、現在でも評価の高い名機ですね。

元々は放送局用として収録現場などで使用されていましたが、評価が高まるにつれて音楽業界でも使われ始めた、という歴史があるようです。

なおTeletronix社は企業買収を経て、最終的には1176を開発したUniversal Audio社に買収されています。そのため現行の実機には、Universal Audio社とTeletronix社の両ロゴが刻印されています。

光学式コンプはOptコンプとも呼ばれ、白熱電球発光ダイオードなどの光源の発光量を入力信号によって変化させ、その発光をフォトセルと呼ばれる入射する光量で電気抵抗が変化する電子部品で検知することでゲインリダクションを行います。

光源を発光→それを受光してゲインリダクション処理という工程を行うため、FETコンプなどと比較すると、アタックとリリースが遅めであり自然なコンプ感が得られます。

これが光学式の特徴といえるところで1176とは違う魅力を持っており、ドラムなどアタックが強いソースには向かない反面、ボーカルやホーン、ストリングスなどレガートのフレーズが多いパートに適しています。アコギにかけることもあるようですね。

また実機ではゲイン段などのアンプ回路には真空管を使用しているため、真空管特有の風味もあるとのこと。

私の場合、ロングトーントレモロリフが多いリードギターにほぼ毎回使用しています。

 

パネルによる違い

私が愛用している、Universal Audio Teletronix LA-2A Classic Leveler Collectionには、3つのLA-2(A)が入っています。通称オリジナル、グレー、シルバーです。

色味が似ているのでちょっと見分けがつきづらいんですけどね。

 

オリジナル

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オリジナルはその名の通りオリジナルLA-2のモデリングで、この3つの中でアタックとリリースが一番長いです。最も光学式コンプらしいコンプと言えます。

正確にはLA-2Aではなく前身のLA-2のモデリングであるため、パネルのデザインやLIMIT/COMPの切り替えスイッチ、VUメータのモードを切り替えるノブが無いなどの相違点があります。

 

グレー

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オリジナルの味付けが少し薄味になったような感触。実際にオリジナルとシルバーの間、しかもだいぶシルバーよりのアタックとリリースになっています。

 

シルバー

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一番新しいモデルで、アタックとリリースが比較的早いモデル。アタックの強いソースでも自然なコンプ感が欲しい場合などに適しています。

 

比較

同じサンプルに対してそれぞれをインサートし、おおよそ-5dbほどリダクションする設定にしたところをgifにしてみました。上からオリジナル、グレー、シルバーです。

サンプルはベース1弦ハイフレットのロングトーンです。

ちゃんとメータリングしていないので、大体の目安として見てください。

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オリジナルがアタック・リリースともに遅く、ついでグレーとシルバー、その両者は特性がだいぶ近いです。特徴が出ていると思います。

ピークリダクションノブの位置はまちまちですが、特に困ることは無いと思います。

 

Universal Audio Teletronix LA-2Aのコントロール

グレーを元に。

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  1. LIMIT/COMP切替スイッチ
  2. エンファシス
  3. ゲイン
  4. VUメーター
  5. ピークリダクション
  6. メーターノブ
  7. パワースイッチ

 

スレッショルド・レシオ・アタック・リリースのコントロールがない

実際のところ、ピークリダクションノブがスレッショルド、LIMIT/COMP切替スイッチがレシオの働きをします。

他のコントロールは固定になっていて、公称値はアタックは平均10msec、リリースはリリース半分で平均60msec、その後は1~15秒とのことです。レシオはLIMITで∞:1、COMPで3:1のようです。

そのため使い方としては、LIMIT/COMP切替スイッチでレシオを設定した後、VUメータでゲインリダクション量を見ながらピークリダクションノブでスレッショルドを設定し、ゲインノブでメイクアップゲインを設定する、という流れになります。

なおピークリダクションノブはリダクション量を決めるコントロール、という役割であることから、右に回すとスレッショルドが下がり、左に回すとスレッショルドが上がります。またノブのメモリに書かれているリダクション量が得られるわけではなく、ノブの位置表示くらいの認識でよいです。

 

その他のコントロール

エンファシスは簡単に言うと内部サイドチェインで、右に回しきると全帯域に対してゲインリダクションし、左に回すにつれて低域成分にコンプが反応しなくなっていきます。非公式な情報ですが、内部サイドチェイン信号のカットオフ周波数は1KHzらしいです。

メーターノブはVUメーターの表示モードを切り替えるノブです。OUTPUT +4及びOUTPUT +10にすると出力レベルを表示します。

放送で使うのであれば別ですが、ミックスで使うのでGAIN REDUCTIONの位置でよいと思います。

 

セッティング

代理店のHOOKUPのサイトによいサンプルがありますので参考に。

hookup.co.jp

 

私の場合は以下のような感じです。

 

リードギター

どのパネルのモデルを使うかは曲次第ですね。太めロングトーンを綺麗に響かせたいときはオリジナルが多いです。リアPUでトレモロするときはその曲次第でグレーやシルバーを使用する、といった感じです。

リダクション量は段掛けするので-2~-4dbくらいです。もう少しリダクションしても問題無いと思っています。

 

プラグイン

Universal Audio Teletronix LA-2A Classic Leveler Collection

本家。当然ながら再現度が最も高いと言われています。実機触ったこと無いけど。

これを買っておけば間違いなしですが、UADハードウェアが必要です。

オリジナル、グレー、シルバーのセット。

www.uaudio.jp

 

WAVES CLA-2A

クリス・ロード・アルジ氏所有のLA-2Aをモデリングしたプラグイン

LIMIT/COMPスイッチがあり、エンファシスの代わりにHiFREQノブがあるのとパネル色から、シルバーのモデリングと思われます。

www.waves.com

 

IK Multimedia White 2A Leveling Amplifier

IK Multimediaの人気マスタリングスイート、T-RackSの1つという位置付けでラインナップされています。

www.ikmultimedia.com

 

Black Rooster Audio VLA-2A

実はBlack Rooster Audioのプラグインは1つ持っていないのでコメントしづらいですが、抜かりなくラインナップしています。

blackroosteraudio.com

 

Brainworx bx_opto

Brainworxでもリリースしています。

モデリングではあるものの大きく機能追加がなされており、20Hz~20KHzでのローパス・ハイパス・バンドパスを選べるサイドチェイン、Mixノブによるパラレルコンプの実現、スピードノブによるアタック・リリースの設定が可能です。

特にスピードノブによりオリジナル、グレー、シルバー、そしてそれぞれの中間を設定できる、よりフレキシブルなプラグインになっています。

www.plugin-alliance.com

 

他にもあると思いますがこの辺で。実はUADしか使ったことがないですが、bx_optoの自由度は魅力ですね。

 

あとがき

LA-2Aの魅力は自然なコンプ感ですね。私の曲はインストのメタル系なので、どうしても主役は1176になるのですが、ロングトーンリードギターをボーカルの立ち位置に据えるアレンジが多いので、そういう場面で活用しています。

一方で歌ものやホーンセクション、ストリングスを入れるアレンジをする人は、一つ優秀な光学式コンプを持っていると、ミックスに有効な道具になると思います。

 

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byakusyn